2011年05月21日

〜飯舘村 酪農家は訴える〜

P1000165.JPG昨日20日午後16時から参議院議員会館で行われた緊急集会に行ってきました。
地下鉄丸の内線を国会議事堂前駅で降り、首相官邸や国会議事堂の裏側を見ながら議員会館に到着。小学校の社会科見学以来の訪問です。
税金で建てられた新しい議員会館はピカピカで、ガラス張りのロビーはとても現代的で無機質な印象でした。
地下に降り、タリーズというコーヒーショップの脇を通って会場へ。(議員会館には他にもコンビニのセブンイレブンが入っていました。)
今回は緊急集会ということで、前日に牛のお産に立ち会ってから来たという飯舘村の酪農家、長谷川さんと田中さんが要望書を携えてやって来ました。
有田芳生議員主催のこの集会は時間こそ一時間ではありましたが、実際に現地から駆けつけて来た2人の切迫した状況が、他の情報と並列に扱うテレビニュースで見るのとはまったく違う空気を感じさせました。

まず初めにフォトジャーナリストの豊田直巳さんが東電福島第一原発事故被害地域の現状報告を写真を交えて説明。牧草をのんびり食べる牛やきれいに咲いた桜など、どの写真もそこが放射能で汚染されているとはわからない日常の美しい情景です。しかしここには事故以来、今も放射能が降り続け、空気中で3,8マイクロ、地面では15マイクロシーベルトが観測されていました。5月9日現在の積算で844マイクロシーベルトを観測した酪農家の方もいるそうです。この数字が何を表すかは残念ですが「ただちに健康に影響がない」のでわかりにくいのですが、とても危険なことが進行していると推測するには充分な数値です。

今までに、ヒロシマ、ナガサキの原爆、ビキニ環礁はじめ核保有国の大気圏内核実験、そしてスリーマイル島、チェルノブイリ、東海村の原発大事故、また湾岸戦争をはじめ近代戦での劣化ウラン弾の使用など、地球上には国境に関係なく大量の放射性物質が人々の生活圏に撒き散らされ地上に降り注ぎました。
しかし、たとえそれらが原因で病気になっても「ただちに健康に影響がない」つまり即死や急激な健康障害がなければ、被害としての認定にはたいへん長い時間がかかるし特定も難しいのが現状です。

今回の原発事故はとても複合的な問題をはらんでいます。
私たちがほとんど正しい知識を持ち合わせていない「放射性物質」が漏れ続けていることが事を複雑にしています。
人体への影響だけでなく、食物連鎖やそれに関わる経済活動など、人間が生活をする基盤の全てに関わって来る問題です。
酪農家は牛乳を生産する機械を扱っているのではなく、牛たちの命の恩恵として牛乳を出荷しています。一頭一頭の牛を大切に世話をして初めておいしい牛乳を出荷できるのです。しかし、そんな彼らが放射能汚染が原因で絞りたての牛乳を捨てたり、殺処分される牛を屠場に送り出すことは、とても言葉ではいい表せない悲しみと悔しさがあります。
そうした、思いと現状を長谷川、田中両氏が報告し、福島酪農業協同組合からの要請書を同席した議員たちに手渡しました。(写真は報道関係者に囲まれる中、要望書を議員たちに手渡しているところ)
その後は損害賠償問題に関して大阪市立大学の除本理史氏と弁護士の保田行雄氏が報告、質疑応答の後閉会しました。

約一時間の集会ではありましたが、その中身は非常に濃く、内容をすべて把握するのは難しかったのですが、このまま事故の収束が長引けば決して生産者だけの問題でなく、一般の消費者にもとても大きな影響が出てくることとなることが解りました。決して他人事ではないことに気づかされました。

今後、本当の風評被害を防ぐためにも正確な数値公開と情報開示、そして放射能の正しい知識を共有することがとても大切だと思いました。
posted by 虹基金事務局 at 16:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記